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〜 食品のトレーサビリティについて 〜

 最近、食品工場のトレーサビリティのセミナーに参加してきました。
 「食」の安全性に対する消費者の関心が急速に高まっています。 消費者からみると、食品の消費期限表示や生産者表示について、その食品がいつどのような生産・加工・流通の経路を たどっているのか確認できれば、表示の根拠を知ることができるので、表示内容をより信頼できるようになると思います。
 また、食品に関する事故や事件が起きた場合、トレーサビリティシステムを活用して該当食品を迅速に回収できる体制が 整えられていれば、そのような体制があること自体が消費者に安心して買うことができると思います。

 ところが、食品工場はHACCP(危害分析重要管理点監視)システムやISO9000シリーズなどにより 食品の衛生管理・品質確保にあるにもかかわらず、近年O157汚染による集団食中毒事件、 加工乳の食中毒事件、BSEの国内発生、賞味期限切れ問題、原材料の偽装表示などにより、 食品に対する消費者の信頼は大きく揺らいでしまっています。
 消費者としては口に入るものの問題なので、特にきちんとしてもらいたいものです。

 弊社も情報処理サービス会社なので、食品製造工場の製造工程には、 このホームページの事例を見ていただくとわかる通り、 いろいろと関わらさせていただいています。

 最近特に食品製造会社、食品販売業者では消費者の信頼を得るためのひとつの手段として、 食品の生産・加工・流通の各段階の履歴を明確にする仕組み=食品トレーサビリティに 注目があつまっています。

 BSE問題の牛肉だけでなく、野菜などもどの農家で作られたがわかるようになってきています。
食品製造工場でも、製造工程で使う原材料がどのような経路作られてきたものかが重要になっています。 しかし、原料の畑や海からスーパーの店頭にならぶまでには数社の会社を経由しています。
 たとえば、パンの原材料のひとつに小麦粉がありますが、 まず小麦粉は、どこかの農家で小麦が栽培され、これを小麦粉に加工する業者がいてこれを 製パン工場でに持ち込まれパンになるといった具合ですが、小麦が輸入品であれば間に輸入業者が 介在するというわけで消費者の口に入るまでには何段階も業者がはいります。 これらを最終の製パン業者がすべてトレースするのはたいへん難しい問題です。 さらにこのパンを買ってサンドイッチ屋さんがサンドイッチを作って売るとなると このサンドイッチ屋さんでは管理しきれないということになります。

 現実的には、それぞれの業者が、原料を仕入業者からいつ仕入れてその賞味期限はいつかということを 管理することになります。これを各段階の業者がきちんとやれれば、今食べたパンがどの農家で作られた小麦なのか とういことがわかります。

 トレーサビリティを簡単に言うと下記のようになっています。
 食品トレーサビリティガイドライン(農林水産省策定)の定義
生産・処理・加工・流通・販売のフードチェーンの各段階で、食品とその情報を追跡し、遡及できること

 トレーサビリティの基本的な要件は、
1.商品・製品などの管理単位を明確にし、それを個別識別して“トラッキング(追跡)”できること。
2.その記録をさかのぼって“トレースバック(遡及)”できること。

 弊社では、これを実現するために生産品目の原材料入出庫管理、マスター管理、レシピ管理や 実際の投入工程でのどの原材料のどのロットを投入したかの管理を お客様の工場と協力して実現しています。 これにより工場から出荷された製品がどんな原料で生産されたがわかる管理を実現しています。

 トレーサビリティのシステムに関連して何かありましたら弊社までお問い合わせください。