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<3>ROM−Win紹介(続き)


最新技術動向−パソコンシステムの信頼性向上− ROM−Win(その2)

前回紹介したROM−Winが納品されたので、早速評価テストを行いレポートにまとめました。


《 テスト構成 》
・日立FLORA DM7(搭載メモリー80MB)
 WindowsNT4.0 Workstation(SP6.0a)

・上記パソコンに、以下のSCADAソフトをインストール
 Intellution Fix/DMACS V6.15

・使用ROM−Winシステム(価格は定価)
 起動用ROM−Winカード128MB(NT4.0用)RWCD−B128N \59,000
 3.5インチタイプのIDEアダプタ CA−CS12 \6,300 
 スティックライトNTカード版 RW−NTC−KIT \98,000
 

《 評価結果 》
・ROM時間
 ROM−Winカード作成に掛かった時間は、約40分程度であった。作業上難しい点は特に無く、手順通り行なえば簡単にROM化システムを構築することができた。

・ROM化によるコンパクト化
 今回のテストシステムでは、OSとSCADAソフトで元々245MBの使用容量であったが、ROM化することで71MBまでコンパクト化することができた。(コントロールパネル及びSCADAシステムを抽出)
 ただし、トレンドデータを採取していない等、実運用に合わない構成であることを考慮しなければならない。 
 この辺りは、スレーブのハードディスクの使用や、リモートのデータを参照するなど、使用ROM容量を増やさないような工夫が必要と思われる。

・起動時間
 通常のハードディスクからの立ち上げは、電源投入からデスクトップ画面が表示されるまで1分強の時間が掛かっていたが。ROM化により約45秒まで短縮された。

・基本動作
 電源断、ファイルの削除を行なっても、再立ち上げによりシステムが正常復帰することを確認。
 また、ROM化した後のファイルの更新作業(書き込みモードでのシステム立ち上げ)も正常動作を確認。


●全体的な印象として、意外と簡単にROM化できたというのが感想である。1システム辺り15万前後の費用でハードディスクの障害を未然に防ぐことができるとすれば、RAIDを構築するよりは、安価に高信頼性を得ることができると思われる。特に、電源断や誤操作によるファイル削除などの論理的な破壊に対する対障害性という面からみれば、RAIDシステムより圧倒的に優位なシステム構築が可能となる。

●なお、システムを構築するにあたり、使用するファイルのサンプリングに十分配慮する必要があったり(抜けがあると、書き込みモードで立ち上げ→書き込み→ROMモードで立ち上げ、と結構面倒)、同様の理由により頻繁にシステム更新が発生する場合も、運用面で支障が出ないよう注意が必要である。(立ち上げ操作ができないようなシステムには向かない)

●ファイルのメンテナンスや、トレンドデータの保存等の点を考慮すると、実際にシーケンサと通信するSCADAノード(再立ち上げができないもの)は従来のRAID方式を用いたシステム構築を行い、収集データの保全やシステムの更新に支障が出ないようにする。
 なお、RAIDシステムでは、電源断や誤操作によるファイル削除等による障害が発生する可能性があるので、UPSの設置、画面のロック等の運用を行なう必要がある。(OSなどの基本部分のみROM化するという手もある)

●VIEWノードやパネコンなど、再立ち上げ操作を行なってもシステムに影響がでないものに関しては、ROM−Winを用いて安価に高信頼性システムを構築する。(Fixではリモートのトレンドデータを参照する機能があるので、表示は問題なく行う事ができる)

※RAIDとは・・・Redundant Array of Inexpensive Diskの略
「複数のハードディスクを利用して、それらを並列動作させてアクセス速度を向上させたり、データのミラーリングやパリティ付加などの手法を用いて信頼性を向上させるシステム」という意。


なお、ROM−Winについての詳細を知りたい方は株式会社ロムウィンのホームページをご覧ください。
URL=http://www.rom-win.co.jp