最新技術動向−パソコンシステムの信頼性向上− ROM−Win 最近では、開発効率の良さ、H/W(ハードウェア)の低価格化に伴い、計装システムにパソコンを導入する機会が増えてきているが、「パソコンのハードディスクが故障した!」というトラブルが結構発生しています。当然、ハードディスクが故障すれば、計装システムとして機能しなくなってしまいます。 もともと、ハードディスクは内部にスピンドルという駆動部分を持っているため、振動や雰囲気の悪い環境に弱い部品であることは確かです。ハードディスクの信頼性を上げる=パソコンの信頼性を上げる、ということになります。 今回紹介する「ROM−Win(株式会社 ロムウィン)」は、このハードディスクをROM化して、パソコンの信頼性を向上するものです。 《 概 要 》 ・パソコンのIDEポートにROMアダプタを接続します。(ハードディスクと交換) ROMとしては、コンパクト・フラッシュを使用します。 ・ROMへのファイル転送は、専用のツールで実施します。 《 特 長 》 ・Windows95/98/Me/NT4/組込NT/2000、Linuxをサポート ・ROM化にあたり、必要最小限のファイルのみをROM化するので、ROMサイズがコンパクト。 (Windows95英語版が最小8MBのROMで立ち上げ可能です。) ・ROM化により、動作中の電源ダウンによるプログラムおよびOSの破損がありません。 ・ユーザーのプログラムも同時にROM化可能です。 ・ライトエミュレーション技術(ROMを一部RAMとして使用)により、スプールファイル、ワークファイル(ユーザーファイル)、ページファイルなどの書き込みをサポートしています。 (但し、RAMなので電源を落とせば元に戻ります) ・シリコンディスクと比べ、安価にシステム構築できます。 ・誤操作によるファイル削除でも、再立ち上げにより復旧できます。 《 用 途 》 ・FA端末、情報端末、POS端末、教育端末、金融端末、通信機器、券売機、防犯装置端末、医療表示端末、ネットワーク端末、パネルコンピュータ、アミューズメント端末、家庭用セットトップボックス、等々 最近では、RAID(※)を使用することにより信頼性を向上するパソコンが増えてきていますが、誤操作による削除や電源断によるファイル破損には対応できないのが現実です。この点ではROM−Winは素晴らしい製品といえますが、トレンドデータの収集などのデータ蓄積を行う時にちょっと工夫がいるかな?という感じです。 近々1セット購入する予定なので、テストでこういった面を調査してみたいと考えています。 ※RAIDとは・・・Redundant Array of Inexpensive Diskの略 「複数のハードディスクを利用して、それらを並列動作させてアクセス速度を向上させたり、データのミラーリングやパリティ付加などの手法を用いて信頼性を向上させるシステム」という意。 なお、ROM−Winについての詳細を知りたい方は株式会社ロムウィンのホームページをご覧ください。 URL=http://www.rom-win.co.jp |